占い師になろうとした場合、ほとんどの人は、どんな占い方法を学ぼうかと思い悩むかと思いますが、私自身の経験から言えることは、占いそのものを勉強するよりも相談者の心情を理解するためにも心理学の方を勉強しておいた方が身のためだということです。
占い師を目指している人に陥りがちなよくある傾向として、専門的な占術方法の習得ばかりに頭が一杯になってしまっていて、目の前の相談者の境遇や心理状態に関して完全に無頓着になってしまっているケースがよく見られるからです。
占いばかり勉強して、たとえ的中率を上げられるようなっていったとしても、人の心を掴めないような占い師に相談者は寄り付いてきません。
また、マニアックな占術の知識やノウハウに関していくら詳しくなったとしても、それで一流の占い師や行列ができるような人気占い師になれるとは限りません。
大体、占星術の種類というのは、有名なものだけでも、星占い(西洋占星術)、数秘術、タロット占い、紫微斗数(しびとすう)、夢占い、姓名判断、易占い、宿曜占術、ルーン占い、四柱推命、九星占い、水晶占い、手相占い、血液型占い、人相占い、トランプ占いなど非常に多岐に亘り、そのすべてを完璧にマスターしようとすると、一生掛かっても不可能なことでしょう。
そんなことよりも、悩み抜いて困っている相談者の心の負担を取り除いてくれるようなカウンセラーに近い親身に寄り添える占い師を目指した方がよっぽども重宝されることでしょう。
占い師のところに相談にやって来る相談者というのは、付き合っている恋人が現在進行形で浮気をしているのかどうかを予想してもらいたかったり、自分の転職がどんな職業なのかということを必ずしも予想してもらいたいわけではないのです。
占いが的中したかどうかということよりも、誰にも聞いてもらえない悩み事を一緒に共有してもらいたいからこそ、わざわざ高い鑑定料金を支払ってまで占い師に相談に行くのです。
親や友人、恋人やパートナーなど、とても他人には打ち明けることができない特殊な事情や秘め事を抱えながら生きている人というのは世の中には大勢います。
そういった人たちの心の拠り所となって、側で支えていく役割を担っているのが占い師の使命だと言えます。
そうした相談者の心理的傾向というものをきちんと理解した上で占い師という職業を目指さなければ、いつまで経っても、相談者の心を掴めない独りよがりな占術マニアの占い師と化してしまうことでしょう。
占術知識よりも心理学の方がよっぽども大事だということは理解できたけれども、心理学って難解な学問だから何も知らない素人の一般人が体得することはできるのだろうかと不安に思ってしまうかもしれませんが、根気強く取り組んで学び続けていけば、誰でもある程度のレベルまでは習得できるはずです。
だから、最初から諦めてしまわないで、占いの知識を身に付ける作業と同時並行で心理学のノウハウやテクニックなどの技能も吸収していってほしいと思います。
確かに、占術方法だけを暗記していくよりも覚えることの分量が大幅に増えてしまうので大変だから、途中で嫌気が起きて投げ出したくなってしまうような時期が一度や二度ぐらい訪れることでしょうが、そこで踏ん張って乗り越えられれば、他の占い師にはない類稀な唯一無二の頼り甲斐のある占い師になることができます。